マイクロデータセンターを作ってみよう第1回「電源とアース、設置ラック」

皆さん、こんにちは。佐々木晶子です。
今回から何と!データセンター設計の日本第一人者の杉田正氏にデータセンター関連のテクニカルなコラムを執筆いただくことになりました。
杉田氏は日本のブレイン集団である国立研究開発法人産業技術総合研究所(通称:AIST、産総研)のテクニカルスタッフとしても勤務されている方です。
 
ヤマハルーターが好きな方には自宅やオフィスでマイクロデータセンターを作ってみたい方もいると思います! ということで「マイクロデータセンターを作ってみよう」の第一回は「電源とアース、設置ラック」を書いていただきました。興味がある方はどうぞ!

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サーバー台数が増えてくると、ラックに収納してルーターを設置すると、それはマイクロデータセンターと呼ばれる小さなデータセンター。基本的な構築ノウハウをご説明します。

第1回 電源とアース、設置ラック
第2回 排熱と防塵
第3回 高密度実装

第1回 電源とアース、設置ラック
ルータ機器やサーバー機器はアース付き「ACインレット」に電源コードを接続して、AC100V
やAC200Vを給電して使います。中央にある端子はアースです。アースはノイズを受けないための大事な端子です。ちゃんと接続してお使いでしょうか?

RT1210の背面  電源スイッチとACインレット
引用先:https://network.yamaha.com/products/routers/rtx1210/spec

電源プラグコードは3Pですので、アース付きコンセントが必要です。

引用先:https://ntec.nito.co.jp/prd/C686-C833-C821-S6549.html
https://ntec.nito.co.jp/prd/C686-C833-C821-S3039.html

ここで確認が必要なのは、コンセントバー・OAタップを差し込む”壁コンセント”が3Pでアースが配線されて来ているか?です。2Pの壁コンセントしか無く、3Pto2PアダプタでAC100Vに接続する場合でもアースケーブル(緑色)はアース端子に接続されているでしょうか?
アースを接続しなくてもルータ機器やサーバー機器は”使えます”。しかし、設置する棚やラックに多数の機器を搭載する場合に”問題”が発生しやすくなります。特に多数の機器を使用するときには注意が必要です。

日本国内で一般的な電源は、単相2線AC100Vで単相3線100/200Vから配電されたAC100Vです。単相3線100/200Vは、三相3線200V(動力とも呼ばれます)からスコットトランスで作られます。一般家庭では近くの電柱にぶら下がっているトランスになります。このトランスに接続されているアースは地中に接続され。”壁コンセント”のアースはユーザー側で電気工事する必要があります。
ユーザー側アースが床面と接続されていないと、せっかく3P電源プラグコードを使っても、機器ケースと床面とで電位差が発生し静電気パルスが発生します。乾燥した冬期などで、扉を触ると不快な静電気が発生するような床や衣服で機器を触ると、静電気により機器を傷めることになります。また、全ての機器のアースを接続しておかないと、海外(米国や中国)の三相4線式での使用を前提とした製品の△ーYトランスから中点NとでAC230V稼働機器とAC100V稼働機器とでアース電位差が出て感電する場合もあります。

対策的には床を導電性塗料や導電タイプカーペットにして、導電靴と静電ユニフォームなどを着用するして、機器に静電気ショックを与えなくします。いずれにしても、3P電源コードのアースが低い抵抗値で床などのアースに接続されていることが大事です。
棚やラックの下部にはゴムカバーで床を傷付けないような構造であれば、アース線を別途接続しないとよからぬ静電気ショックを機器に与えることになります。

雷などから電源を通じて到達するパルスなどにも耐えるように機器内部にはサージキラーと呼ばれる保護部品が使われていますので、アース接続されていなくても容易に機器が壊れることは有りません。しかし、静電気ショックは蓄積され機器故障に繋がるので、原因が解りにくい機器故障となります。ルータ機器やサーバー機器が増えてくるマイクロデータセンターでアース接続は安定稼働のための重要なノウハウです。