津村彰氏コラム「ヤマハで社内LANを構築・運用してみよう!」第4回「NVR700Wはパーフェクト・ブランチ・ルーター(前編・小型ONU)」

1. NVR700Wはパーフェクト・ブランチ・ルーター(前編・小型ONU)

NVR700Wとは、2016年7月に発売されたばかりの、LTEモデム内蔵のVoIP ヤマハ ルーターです。また、NTT東日本にてリリースされた「小型ONU」に対応し、よりスッキリとした接続で、多様な構成を組む事ができるようになりました。

個人的には「RTX1210とNVR500のいいとこ取りルーター」というイメージであり、「パーフェクト・ブランチ・ルーター」と呼ぶようにしています。RTXからはL2TP v3をはじめとした高級機の機能が、NVR500からは従来機からのVoIPルーターやブランチルーターとしての機能を引き継いでおり、とても魅力のある製品です。

今回は、NVR700Wの魅力を、前編・後編に分けて、それぞれ以下の点についてレポートしたいと思います。

  • 前編:NTT東日本が提供する「小型ONU」対応レビュー
  • 後編:内蔵LTE/3Gモデムを用いたWAN接続レビュー
2. 小型ONUとは?

<小型ONU>
上:NTT東日本提供 フレッツ光小型ONU
下:ヤマハ純正 1000Base-SX SFP(比較用)

「小型ONU」とは、NTT東日本が提供している、SFP型のONUです。
https://flets.com/onu/

当初はテストベッドのみの提供でしたが、現在では一般のユーザーも116コールセンターから申し込むことで、通常のレンタル品として使用する事ができます。
従来はGE-ONUや、光電話ルーターといった機器を介していた為、機器設置スペースやファシリティ要件が冗長になっていた部分がありますが、小型ONUにする事により電源・ケーブルを減らす事になり、よりスマートな機器の設置が可能になります。
NVR700Wはラックマウントキットを用いて、19インチラックへマウントして使用する事も可能であり、小型ONUとの組み合わせにより、よりスマートに配線をする事が可能になります。

3. ONUポートを使ってみよう

<ONUポート>

NVR700W背面を観ると、「WANポート」の隣に「ONUポート」があり、そこに小型ONUを挿入する事が可能です。
従来どおりGE-PON、光電話ルーター、CATVモデムといった機器を使用する場合や、複数ルーター間でフレッツ光のセッションを分け合う場合などは従来通りWANポートを、そして今回紹介しました小型ONUを使用する際はONUポートに小型ONUを挿入して使用します。この2つのポートは排他利用となっており、片方を使用中はもう片方は無効となります。小型ONU挿入後は、一度本体を再起動する必要があります。

光ケーブルを挿入すると、上記のようになります。比較の10円玉と比べていただくと、かなり出っ張る事がわかります。また、過度に気にする必要はありませんが、小型ONUは出力が大きい為、発熱も多いです。よって、背面は少し空けておいた方が良いでしょう。

Web設定画面の「かんたん設定」より設定する際、「ONU」という項目が増えている事が確認できます。ダッシュボードで「ONU」がグリーンになっている事と、ONUに対しMACアドレスが付与されている事が確認できます。

下図では、「かんたん設定」から接続設定を行う場合の例です。インターフェースのリストに「ONU」が追加されている事がわかります。

この後、通常通りプロバイダへの接続設定(PPPoE)を行うことで、接続が可能です。以降の手続きについては、通常のプロバイダ接続と変わりません。これにより、小型ONUを用いてPPPoEセッション(プロバイダ接続)が確立する事ができます。

4. NVR700Wはひかり電話対応

NVR700は、内蔵のTELポートを用いてひかり電話を終端する事が可能です。また併せて、従来からVoIPルーターとして兼ね備える機能も踏襲されております。
今回、細部の検証ができませんでしたが、追って検証したい項目の1つです。

5. おわりに

NVR700Wは、次回にてお話するLTE/3Gモデム内蔵により、より多様な使い方をする事ができるようになりました。また、個人的にはL2TPv3への対応がとてもうれしく、RTX1210をセンタールーターとした多拠点でのレイヤー2VPNが容易に構築できる事が嬉しく思います。
また、今回はWeb設定画面上での設定をご紹介しましたが、「RTX1210とNVR500のいいとこ取りルーター」と冒頭に申した通り、機能面でもいいとこ取りの設計がなされており様々な改善が見られます。
今回取り上げた「小型ONU」対応により、ケーブルの誤った抜線といったトラブルが減り、また電源コンセントを消費しなくなる事から、より堅牢性・運用性が上がる事が期待されます。

次回は、NVR700Wの内蔵LTE/3Gモデムを使った環境と、ユースケースについてレポートしたいと思います。