津村彰氏によるコラム第5回「NVR700Wはパーフェクト・ブランチ・ルーター(後編・内蔵LTEモデム・L2TP対応)」

1. NVR700Wはパーフェクト・ブランチ・ルーター(後編・内蔵LTEモデム・L2TP対応)

NVR700Wとは、2016年7月に発売されたばかりの、LTEモデム内蔵のVoIP ヤマハ ルーターです。また、NTT東日本にてリリースされた「小型ONU」に対応し、よりスッキリとした接続で、多様な構成を組む事ができるようになりました。

個人的には「RTX1210とNVR500のいいとこ取りルーター」というイメージであり、「パーフェクト・ブランチ・ルーター」と呼ぶようにしています。RTX1210からはL2TP v3をはじめとした高級機の機能が、NVR500からは従来機からのVoIPルーターやブランチルーターとしての機能を引き継いでおり、とても魅力のある製品です。

今回は、NVR700Wの魅力を、前編・後編に分けて、それぞれ以下の点についてレポートしたいと思います。

  • 前編:NTT東日本が提供する「小型ONU」対応レビュー
  • 後編:内蔵LTE/3Gモデムを用いたWAN接続レビュー
2. 「LTEモデム」とは?

<SIMカード>
左:10円玉(比較用)
右:NTTドコモ SIMカード

NVR700Wは、LTEおよび3Gの通信規格に対応したモデムを内蔵しており、上記のSIMカードを挿入・設定する事により単独でデータ通信が可能になります。従来ヤマハ ルーターではUSB接続による外付けモデムを利用する形が一般的でしたが、NVR700Wではこれが内蔵され、SIMカードの挿入のみで利用可能になりました。
今回は日本で一般的なNTTドコモ系のMVNO(仮想移動体通信事業者)のSIMにて、問題なく接続・利用できる事を確認しました。

3. モバイルインターネット接続を利用してみよう

まず、SIMカードを調達します。フルサイズのSIMをアンテナ端子の間に挿入する事ができます。
一般的なNTTドコモ系のMVNNOのSIMであれば場問題ありません。
また以下にヤマハが動作確認済のSIMカードの情報も掲載されています。
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/wwan/available_sim.html


次に、アンテナを接続します。アンテナは自由な角度で使うことが出来るので、縦置き・横置きに応じて適宜角度を変えて使います。ここまでの準備はNVR700Wの電源がOFFの状態で実施してください。

「かんたん接続」から、すぐにこの機能を使うことができます。ウィザードを開き、「内蔵無線WAN」を選択します。

次に、APN(プロバイダ接続設定)を行います。各々が契約したキャリアの指示に従って設定します。


一般的にLTE/3G接続は従量課金のため、通信制限の設定があります。今回はテストの為、設定を行いません。


無事に上記の画面になれば、設定の完了です。


ダッシュボードのインターフェース情報や本体フロントパネルで、電波強度が見えていれば成功です。(モバイル回線の電波強度は本体正面のLEDからも物理的に確認が可能です。)

4. NVR700W構成例:設置してすぐに使えるVPN環境の構築

小~中規模、なおかつ利用する端末がパソコン中心の場合、難しい設定がなくとも離れた拠点(ブランチ)同士を1つのLANとして使いたい場合があるかと思います。
例えば工事などの現場や、イベント会場など、「仮設の現場で難しい事はしたくないけど、同じLANの上でマシン同士をつなぎたい」という場合もあるのではないでしょうか。
ほんの1例ですが、NVR700WとRTX1210では、コマンドによる手動設定が必要ですが、L2TP VPNおよび、トンネルインターフェースとLAN1のブリッジにより、これらを実現することが可能です。

実際にラボテストをしてみたところ、LTEによるVPN接続でもプリントサーバやファイルサーバに思っていた以上に快適にアクセス出来た為、一例としてご紹介しました。

5. おわりに

以上でNVR700Wのレポートは終わりになりますが、IPv6対応やLuaスクリプト対応、L2MS対応といった魅力的な機能が他にもあり、本コラムでは紹介仕切れない事がたくさんあります。各機能については、また折を見てご紹介できればと思います。