河野哲治のコラム「マルチギガ&10ギガビットイーサネットの基礎知識」

皆さんこんにちは、テックデザインの河野です。

今回は光ファイバーケーブルを使用する10ギガビットイーサネットの規格について詳しく解説をします。

光ファイバーケーブルを使用する規格

光ファイバーケーブルを使用する10ギガビットイーサネットの規格は多数ありますが、ここでは現在ヤマハネットワーク機器で利用できる10GBASE-SRと10GBASE-LRについて説明をします。10GBASE-SRと10GBASE-LRはIEEE802.3aeとして標準化されており、SRはShort Range(短距離)、LRはLong Range(長距離)の意味になります。接続インターフェースはツイストペアケーブルで使用されるRJ45ではなく、SFP+になります。

SFP+モジュールは2種類

SFP+インターフェースでは「SFP+モジュール(トランシーバー)」と呼ばれる電気信号と光信号を相互に変換する装置(写真1)と「光ファイバーケーブル」を組み合わせて通信を行います。SFP+モジュールは10GBASE-SR用と10GBASE-LR用で異なるため、使いたい規格に合ったSFP+モジュールを選択します。

写真1 SFP+モジュール

(画像引用元:https://network.yamaha.com/products/switches/swx2310-52gt/index

光ファイバーケーブルは2モード6タイプ

光ファイバーケーブルには「シングルモード(OS: Optical Singlemode fiber)」と「マルチモード(OM: Optical Multimode fiber)」の2種類があり、10GBASE-SRではマルチモードファイバー、10GBASE-LRはシングルモードファイバーを使用します。マルチモードファイバーはシングルモードファイバーに比べ安価で曲げに強いという特徴がありますが、シングルモードファイバーよりも伝送損失が大きいため最大ケーブル長が短くなります。10ギガビットイーサネットで使えるマルチモードファイバーはOM1/OM2/OM3/OM4の4種類で、数字が大きくなるほど最大ケーブル長が長くなります。

シングルモードファイバーの特徴はマルチモードファイバーの反対で、伝送損失が小さく長距離で安定した大容量通信ができますが、マルチモードファイバーに比べて高価で曲げに弱いという特徴があります。シングルモードファイバーはOS1/OS2の2種類がありますが、どちらも距離は最大10kmです。

ダイレクトアタッチケーブル

SFP+ではダイレクトアタッチケーブル(以下、DAC)というメタルケーブルも利用することができます(写真2)。DACはメタルケーブルの両端にSFP+コネクタを取り付けたケーブルで、Twinaxケーブルとも呼ばれます。PassiveとActiveの2種類があり、Passiveケーブルは電機部品がなく信号の増幅や調整を行わないのに対して、Activeケーブルは信号調整用のチップが追加されているためPassiveケーブルよりも利用できる距離が長くなります。DACはマルチモードファイバーよりもさらに最大ケーブル長が短くなりますが、SFP+モジュールと光ファイバーケーブルの組み合わせよりも安価で、ラック内およびラック間の接続に向いています。マルチギガ&10ギガビットイーサネットで利用される規格と最大ケーブル長をまとめたのが表1となります。

写真2 ダイレクトアタッチケーブル

表1 マルチギガ&10ギガビットイーサネット

前回から2回にわたってマルチギガ&10ギガビットイーサネットの規格について見てきました。SFP+はモジュールもケーブルも複数あるのでどれを選べばいいのか迷ってしまい、なんとなく苦手意識がある方もいらっしゃるかもしれません。本稿がそうした方のお役に立てば幸いです。


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