新連載「シオラボのネットワーク技術コラム」第一回「ネットワークの基礎の基礎」

1. はじめに

はじめまして、株式会社シオラボの小澤です。よろしくお願いいたします。

さて、ヤマハのネットワーク製品は、高性能でコストパフォーマンスに優れていることは周知の事実ですね。それらを使えば、安定的で信頼性のあるネットワークが構築できるということもご存知かと思います。さらに、ヤマハのネットワーク製品群は、ルータやスイッチ、無線LANアクセスポイントなど、ネットワーク構築に必要な機器が網羅されていますし、ネットワークの規模に応じて適切なサイズの製品を選択することもできるので、最小限の機器構成で無駄のないネットワークを構築できたという方も多いと思います。

数年前まで、ネットワークの構築作業は、管理者による複雑な設定を伴うものでした。ところが、現在では、ネットワーク製品に搭載されている管理・設定機能の充実により、設定作業は驚くほど簡単なものになりました。専任のネットワーク管理者がいなくても、ネットワークを構築することができ、運用も容易にできるようになったのです。

このような状況は、望ましいことではあるのですが、一方で、ネットワークの知識があまりないなかで運用してしまうことは、不意のトラブルに対応できないといったリスクも抱えているのです。

ネットワークを構築したり管理したりするなら、もっと言うと、ネットワークを使うなら、知識はあるに越したことはありません。これから、ヤマハネットワーク製品を題材にしつつ、ネットワーク技術の基礎知識を、私と一緒に学んでいきましょう。

2. ネットワークとは

(病院など大規模ネットワークの構成例)

改めて、ネットワークとは?と問われると、その答えに戸惑ってしまいますね。電話やインタ−ネットを始め、私たちは日常的に通信を使っています。通信とは、データや音声などの情報を、ネットワークを介してやり取りすることです。

情報をやり取りするためには、送受信するための装置と、その装置間を接続するネットワークが必要となります。これらの装置やケーブルで構成されているものは、物理的なネットワークと言えます。

一方、通信をおこなうには、情報をデジタル信号に変換し、相手を識別するための情報が必要になります。相手を識別するために必要な情報は、ネットワークごとに決められていて、例えば、携帯電話では電話番号、インターネットではIPアドレスなどがそれに当たります。通信相手を識別する際に、どのような情報を使うかによって、論理的なネットワークが構成されていると考えることができます。論理的なネットワークを理解する本質は、通信相手を識別するのにどのような情報を使っているかを理解することであるとも言えます。

3. ヤマハネットワーク製品について

(拠点規模や利用形態に合わせて選べる豊富なラインナップ)

ヤマハネットワーク製品には、以下のようなラインナップがあります。論理的なネットワークという観点に注目して見てみましょう。

  • ルータ

ルータは、IPなどOSI参照モデルにおけるネットワーク層のプロトコルに基づいて、パケットの中継や交換をおこなう装置です。内部LANと外部インターネットの間、もしくはLAN内部で、TCP/IPネットワーク同士を中継する機能を持ちます。ルータとしての機能に加えてVPNゲートウェイの機能を備えたVPNルータも多く販売されており、「RTX1210」や「RTX830」は、おなじみの製品ですね。

  • ファイヤウォール

ファイヤウォールは、文字通り「防火壁」という意味で、内部LANと外部インターネットの間に一定の制限を設けるものです。一般的には、ルータとLANの間に設置しますが、ルータにファイヤウォール機能を備えた製品も多く、用途は限定的です。ヤマハからは、「FWX120」の1機種のみ販売されています。

  • スイッチ

スイッチには、MACアドレスなどOSI参照モデルにおけるデータリンク層(レイヤ2)の情報を基に転送をおこなう「L2スイッチ」と、IPなどネットワーク層(レイヤ3)の情報を基に転送をおこなう「L3スイッチ」があります。「SWX3200シリーズ」はヤマハとして始めて発売されたL3スイッチです。また、L2スイッチには、「SWX2310Pシリーズ」や「SWX2210シリーズ」などがあり、ラインナップは豊富です。

それでは次回以降は、それぞれのネットワーク機器について、もう少し深く説明していくことにしましょう。