津村彰氏の「ヤマハで社内LANを構築・運用してみよう!」第21回「SWX3200シリーズで実装されたスタック機能を詳細解説!」

1. はじめに

先日2月9日に、ヤマハより新製品「X18」こと「スタンダードL3スイッチ SWX3200」、「ライトL3スイッチ SWX3100」、の製品発表があり、3月23日より、ついに出荷開始されました。

これにより、従来ヤマハ製品でカバー出来ていなかった「L3スイッチ」の領域と、今後大容量のトラフィックを扱うのに必須な「10GBase Ethernet」を同時に手に入れる事が出来るようになりました。

今回は、前回に引き続き、上位機種であるSWX3200シリーズで実装された「スタック機能」についてご紹介したいと思います。

ヤマハ スタンダードL3スイッチ『SWX3200-52GT』

ヤマハ スタンダードL3スイッチ『SWX3200-28GT』

2. 複数台の筐体を1台のスイッチとして使う「スタック機能」

「スタック機能」とは、上記の図のように複数台のスイッチを1台のスイッチとして扱う為の連携機能となります。
古い製品では、製品ごとに専用のスタックケーブルを使ってスタックを構成する事もありましたが、昨今の製品では一般的なイーサネットケーブルを使ってスタックを構成する事が主流になりました。
ヤマハ SWX3200シリーズでは、SFP+ポート(10GBase専用ポート)による、オプションのスタックケーブルの接続により、2台までのスタックに対応しております。

ダイレクトアタッチケーブル「YDAC-10G-1M」

また、将来のファームウェアアップデートにより、最大4台によるスタックまで拡張予定となっております。この場合、SWX3200-52GTを4台使用し、1000Base-Tポートを192ポート収容する事も可能です。

3. スタックすると、筐体をまたいでリンクアグリゲーションが使える

スタック機能は、併せて複数のイーサポートを1本のケーブルとして束ねて使う事のできる「リンクアグリゲーション」と併せて使用される事が多い機能です。
先の図にもある通り、スタックが構成されている「L3スイッチA」と「L3スイッチB」は、配下の機器からは同一の筐体として認識されます。よって、接続先が物理的に別々の筐体でも、LACPを構成する事が可能です。

これにより、上位スイッチであるSWX3200シリーズの1台が故障した場合でも、ほぼノンストップで縮退され、ネットワークのダウンを防ぐことが可能です。

また、リンクアグリゲーションには幾つかのプロトコルがありますが、ヤマハ SWX3200シリーズではIEEE802.3adという標準プロトコルに対応しており、既設の一般的なリンクアグリゲーション対応スイッチを配下に設置可能です。SWX3200シリーズでは、スタック構成時に「スタティックリンクアグリゲーション」のみに対応します。よって、LACPにのみ対応した機器は使用できません。
但し、異なるベンダーの機器同士でリンクアグリゲーションを構成した場合、実装の違い等により正常に構成されない場合もありますので、可能であればヤマハ ネットワーク製品で揃えられる事をお勧めいたします。

4. ヤマハ SWX3200のスタックは10G接続

ヤマハ SWX3200シリーズのスタック接続には、標準搭載されているSFP+ポートを使用し、スタックされている機器間の接続は最低10Gbpsでスタックされます。
スタックケーブルは2本で構成する事が推奨されており、スタックされる機器間は理論上は20Gbpsでリンクされます。
これにより、スタックされている機器間では余程過剰なトラフィックを処理しない限り、十分な帯域を確保する事が可能です。

5. おわりに

今回は、ヤマハの新製品SWX3200シリーズのスタック機能についてご紹介しました。
ヤマハ ネットワーク製品は、長期間における安定稼働に実績がありますが、今回のスタック機能、及びリンクアグリゲーションの組み合わせにより、ポート不足の解消の他に、障害への耐性アップやメンテナンス性の向上に役立ちます。
5年後・10年後の御社の成長に併せられるネットワーク製品として、ぜひ御社のネットワークにヤマハ製品を役立ててください。

6. 訂正のお詫び

出稿時、「スタック構成時にLACPに対応する」旨の記載をしておりましたが、「スタック構成時にスタティックリンクアグリゲーションに対応する」の間違いでした。
訂正と共に、お詫び申し上げます。